新宿区下落合 の皮膚科泌尿器科山本医院 03-3951-7020

　ある種の蝶や蛾の幼虫が持つ有毒毛に触れることで生じる皮膚炎を毛虫皮膚炎と呼びます。有毒毛にはドクガ類やカレハガ類が持つ毒針毛（どくしんもう）とイラガ類の幼虫に認められる毒棘（どくきょく）があります。人に被害を与えるドクガ類にはチャドクガ、ドクガ、モンシロドクガがありますが、都市部で公園や民家の庭に植えられているツバキやサザンカにはチャドクガが発生することが多く、時に大発生して多くの被害を引き起こします。
　ドクガ類の毒針毛は約0.1ｍｍほどで目に見えず、皮膚に触れても痛みはありません。また、直接毛虫に触れなくても毒針毛が風に乗って皮膚についたり、肌着についた毒針毛で発症することもあり、毛虫皮膚炎と診断された患者さんの多くは毛虫の存在に気がついていません。
　毛虫皮膚炎の発疹はアレルギー反応によって生じます。毒針毛がついてすぐには、じんま疹のような皮疹（即時型アレルギー反応による浮腫性紅斑）ができ、1～2日すると赤いぶつぶつ（遅延型アレルギー反応による痒疹）になります。これらのアレルギー反応の強さには個人差があります。
　チャドクガの幼虫は年2回、5～6月と8～9月に発生します。この時期に庭木の手入れをしたり、公園で遊ぶ場合は十分注意して予防に努めてください。（ツバキやサザンカには近づかない、庭の手入れをするときは、手袋、長袖、長ズボンを着用し襟元にタオルを巻く等）
　もし、毛虫にやられたと思ったら手でこすらず、シャワーや流水で洗い流し、皮膚科を受診してください。